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X(旧Twitter)が止まると、実際いくら吹き飛ぶのか?

X(旧Twitter)が止まると、実際いくら吹き飛ぶのか?

アーティクル2025.11.20更新: 2025.11.207分で読めます
エンジビズ編集部
この記事のライターエンジビズ編集部
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X(旧Twitter)が1時間止まると損失は「数千万円」、AWSが落ちると「1時間で100億円クラス」が吹き飛ぶ。 それなのに多くのSLAが返してくれるのは月額料金の数%ぶんの「サービスクレジット」だけで、消えた売上はほとんど戻ってこない。

X(旧Twitter)が止まると、実際いくら吹き飛ぶのか?

Amazon(AWS)の障害と「お金」で比べてみる

SNS が少しだけ開かなくなっても、ユーザー側から見ると

「あ、また Twitter 落ちてるw」

くらいで終わることが多いですよね。

でも、サービスを運営している会社の立場で見ると、その瞬間にも
「1分ごとにいくらお金が燃えているか」 が一番重要なポイントになります。


1. ざっくり結論

  • X(旧Twitter)は
    1分止まると約80万〜90万円、1時間で約5,000万円の損失 と推定
  • Amazon(AWS)の大規模障害は
    1分で約1.7億円、1時間で100億円以上の損失 と推定されることもある
  • しかも AWS や X がこの損失を全部補償してくれるわけではない
    → 多くの場合、「サービスクレジット(利用料金の割引)」レベルで終わる

2. サービスが止まると、どこからお金が漏れるのか

サービス障害が起きると、主に3つのルートからお金が出て行きます。

  1. その時間に本来発生していたはずの売上
  2. 障害対応にかかる人件費・残業代・外注費
  3. ブランド・信頼の低下 → 長期的な売上減少

このうち、数字として一番計算しやすいのが①の
「1分あたりの売上」 なので、いったんここだけに絞って比べてみます。


3. X(旧Twitter)が止まると、いくら失う?

各種レポートや分析を見ていくと、X(旧Twitter)の年間売上は
おおよそ 25〜30 億ドル 程度とされています。

ここでは間を取って 29 億ドル と仮定して計算してみます。

計算式はシンプルで、

年間売上 ÷ 365日 ÷ 24時間 ÷ 60分
= 1分あたりの平均売上

これで割り算すると、

  • 29億ドルベース → 1分あたり約 5,500 ドル
  • 1ドル ≒ 155円 とすると → 1分あたり約 85万円
  • 1時間(60分)だと → 約 5,000 万円

つまり、

X が世界規模で完全にダウンして、
1時間まったく売上が立たなかった場合 → 約 5,000 万円の売上機会を失う

というイメージになります。

この数字には、

  • ピーク時間/非ピーク時間の差
  • 広告主の離脱・ブランドイメージ低下
  • エンジニアの深夜対応・残業代 等

一切含まれていません
あくまでも「年間売上を均等に割っただけ」の、平均的な目安です。

それでも、
「これくらいのスケールのビジネスなんだ」 という感覚を掴むには十分な数字です。


4. AWS(Amazon)の障害はケタが違う

4-1. 大規模 AWS 障害の推定損失

AWS で数時間〜十数時間レベルの大規模障害が起こると、
その上で動いているサービス(ECサイト、ゲーム、銀行、SaaSなど)が一斉に止まります。

いくつかの分析記事では、こんな試算も出ています。

  • とある大規模 AWS 障害での 総損失:約10億ドル以上
  • 障害時間は 約15時間程度

これをそのまま割り算すると、

  • 1時間あたり:約6,700万ドルの損失
  • 1分あたり:約111万ドルの損失

1ドル = 155円 で換算すると、

  • 1分 ≒ 約1億7,000万円
  • 1時間 ≒ 約103億円

要するに、

クラウドインフラの一箇所で大きな障害が出ると、
「1時間で100億円単位のお金が消える」ゲームになる

というレベル感です。

4-2. 昔の「Amazon EC サイト単体」の障害も十分エグい

クラウド全盛期より前、
純粋に「Amazon の EC サイト」だけでも損失はかなりのものでした。

2013年、Amazon の EC サイトが約40分間ダウンしたとき、
メディアはこんな風に試算しています。

  • 40分間での損失:約480〜500万ドル
  • 1分あたり:約12万ドル

これを今のレート(1ドル=155円)でざっくり計算すると、

  • 1分 ≒ 約1,800万円
  • 40分 ≒ 約7億4,000万円

これは 「AWS 全体」ではなく EC サイト単体でこのレベル、というのがポイントです。


5. 数字で見る X vs Amazon(AWS)

(すべてざっくり・1ドル=155円で計算)

サービス / 事例

単位

ドル換算損失

円換算損失(目安)

X(旧Twitter)平均

1分

約 5,500ドル

約 85万円

X(旧Twitter)平均

1時間

約 33万ドル

約 5,100万円

AWS 大規模障害(全体影響)

1分

約 111万ドル

約 1億7,000万円

AWS 大規模障害

1時間

約 6,700万ドル

約 103億円

Amazon EC(2013年障害)

1分

約 12万ドル

約 1,800万円

Amazon EC(2013年障害)

40分

約 480万ドル

約 7億4,000万円

感覚的にまとめると、

  • X が1時間ダウンする ≒ AWS の大規模障害から見れば 2〜3分ダウンしたくらいの感覚
  • Amazon(AWS+EC全体)は
    → 「1分ごとに億単位でお金が動いている世界

という感じです。


6. じゃあ Amazon・X はちゃんと補償してくれるの?

数字を見ると、自然とこういう疑問が出てきます。

「こんなに損失が出るなら、
AWS や X が顧客企業に全部賠償してくれるんじゃないの?」

6-1. AWS(Amazon)の補償構造

AWS のようなクラウド事業者には、
だいたい SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証) が用意されています。

ざっくり書くと、イメージはこんな感じです。

  • 可用性(稼働率)が一定の基準を下回った場合
    利用料金の一部を「サービスクレジット」として付与
  • このクレジットは、翌月以降の AWS 利用料から差し引き
    → 通常は「現金で返金」ではない
  • 売上の損失、評判の悪化、エンドユーザーの離脱などの「間接損害」は責任を負わない
    と約款に書かれているケースが多い

そのため法律系の記事・コメントなどを見ていると、

  • 「たとえ大規模障害でも、
    AWS が実際に支払うのは少額のサービスクレジットに留まる可能性が高い」

という指摘がよく出てきます。

6-2. X(旧Twitter)の場合

X はインフラ事業者ではなく、広告・メディアプラットフォームです。

  • 過去には、広告配信のカウントミスなどで
    一部の広告主に 返金や広告クレジット を提供した事例はあります。
  • ただし、「障害が発生したら売上損失まで含めて必ず補償する」といった
    公開された SLA 形式のルールはあまり見当たりません。

オンライン広告の契約では、一般的に

  • 適切に配信されなかった分について
    • 追加配信(キャンペーン延長)
    • 一部返金・クレジット
      などを「最大責任」にしておき、
  • やはり 売上損失・風評被害といった間接損害は免責 としていることが多いです。

現実的には、

  • 一般ユーザー
    → X が数時間落ちても、お金での補償を受けるルートはほぼない
  • 広告主
    → ケースによって 追加配信・クレジット・部分返金 はあり得るが、
    「今日失った売上を丸ごと補填してくれる」構造ではない

というのが実態に近いです。


7. 結論:ただの「不便」ではなく、「1分いくらのゲーム」かという話

最後に、ここまでの内容をまとめると:

  • X(旧Twitter)は 1分あたり約80万円クラスの売上が動くサービス
  • Amazon(AWS・EC含む)は 1分あたり1億円以上が動くインフラ
  • 大規模な障害が起きても、
    • AWS は多くの場合 SLA に基づくサービスクレジット(利用料割引) で対応
    • X も主に 広告主向けのクレジット・追加配信・一部返金 が中心で、
      顧客企業の売上損失まで全面的に補償するわけではない
  • 実際の売上損失・ブランドダメージ・ユーザー離脱といった
    ビジネス面の痛みは、最終的には各サービスが自分で背負う構造

つまり、サービス障害は

「また Twitter 落ちてる、ウザいな」
という感情の問題だけではなく、
「この瞬間、1分あたりいくら燃えているゲームなのか」 という話でもあります。

ニュースで「X 障害」「AWS 障害」という文字を見かけたら、
その裏で

  • SNS が1時間止まる=数千万円
  • クラウドインフラが1時間止まる=100億円単位

といったお金が動いている ――
そんな視点で眺めてみるのも、ちょっとおもしろいかもしれません。

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