フリーランスエンジニア K氏との深層インタビュー

会社を辞めても不安にならなかった理由 ― フリーランスエンジニア K氏に聞く
今回は、日本でフリーランスエンジニアとして活動しているK氏にお話を伺いました。
K氏は企業でエンジニアとして勤務した後、会社を退職し、現在はフリーランスとして複数の企業の開発プロジェクトに携わっています。
多くの会社員が退職を考えるとき、最初に感じるのは「会社を辞めたら仕事がなくなるのではないか」という不安ではないでしょうか。
しかし、K氏は会社を辞める際、思っていたほど大きな不安は感じなかったといいます。
今回は、なぜK氏が会社を辞めても不安にならなかったのか、その理由について詳しくお話を伺いました。
1. 今の日本のIT市場とフリーランスエンジニアの需要
── 最近の日本のIT市場とフリーランスエンジニアの需要について、どのように感じていますか?
K氏:
「私がフリーランスを考え始めたときも、まず確認したのは市場の状況でした。単純に『フリーランスは自由そうだから』という理由だけで会社を辞めるのは危険だと思っていたからです。
実際に市場を調べてみると、バックエンドやクラウド、Web開発など、企業にとって継続的に必要とされている分野では、エンジニアの需要があることが分かりました。特に企業にとっては、必要な期間にすぐプロジェクトへ参加できる人材を確保することが重要なので、フリーランスという働き方も選択肢の一つとして活用されていると感じています。
もちろん、すべてのエンジニアが簡単に仕事を見つけられるという意味ではありません。結局重要なのは、『フリーランスになれるかどうか』ではなく、自分の経験やスキルを使って、実際にどのような仕事ができるのかだと思います。
そのため、私は退職を決める前に、自分のこれまでの経験でどのような案件に応募できるのかを確認しました。その段階である程度の可能性が見えたので、会社を辞めることに対する不安も自然と小さくなっていきました。」
2. 会社を辞めても不安にならなかった理由
── 多くの人は、会社を辞めると収入がなくなるのではないかと不安になります。K氏はなぜ、それほど不安を感じなかったのでしょうか?
K氏:
「一番大きかったのは、会社を辞めてから仕事を探そうとは考えていなかったことです。
私は会社を辞める前からフリーランス案件を調べて、自分の経歴やスキルでどの程度の案件に応募できるのかを確認していました。ですから、私にとって退職は『仕事を失うこと』というより、働き方を変えるためのプロセスに近かったと思います。
また、会社員として働いているときから、自分のキャリアを一つの会社の名前だけに頼らないようにしていました。どのようなプロジェクトに携わり、どのような技術を使い、どんな問題を解決したのかを整理していました。
フリーランスになると、会社名よりも**『この人は何ができるのか』**が重要になると考えていたからです。
もう一つは、生活費について事前に準備していたことです。フリーランスになった直後から高い収入を得られるとは考えていませんでした。もし最初の数か月で案件が決まらなくても生活できるように、ある程度の余裕を持っていました。
結局、まったく不安がなかったわけではありません。不安を減らすための準備を、会社を辞める前にしていたということだと思います。」
3. フリーランスエンジニアとして働いて感じたメリットと難しさ
── 実際にフリーランスになってみて、会社員時代と最も大きく変わったと感じることは何ですか?
K氏:
「一番大きな違いは、自分の選択が直接結果につながることだと思います。
会社員の場合、自分が興味を持っている技術やプロジェクトでなくても、組織の状況によって担当する仕事が決まることがあります。フリーランスの場合は、少なくとも案件を選ぶ段階で、自分が今後どのようなキャリアを作りたいのかをある程度考えながら選択できます。
一方で、責任もより明確になります。会社では組織の中で複数の人が仕事を分担しますが、フリーランスの場合は、契約した業務に対して自分の役割をしっかり果たす必要があります。
そして、プロジェクトが終了すれば、次のプロジェクトを自分で探す必要があります。ここは会社員とはかなり違うところですね。
だから、フリーランスは単純に『会社に所属していないエンジニア』と考えないほうがいいと思います。開発だけではなく、自分自身のキャリアや仕事を管理することも、一つの仕事だと考えています。」
4. これからフリーランスを目指す人へのアドバイス
── これからフリーランスエンジニアを目指す人にアドバイスするとしたら、どのようなことを伝えたいですか?
K氏:
「私なら、『会社を辞める準備』より先に、『会社の外でも通用するスキル』を身につけることから始めてほしいと伝えます。
フリーランスになること自体を目標にすると、どうしても『いつ会社を辞めるか』ということばかり考えてしまいます。でも、本当に重要なのは退職する日ではなく、その後も継続して仕事を受けられる力を持っているかどうかです。
自分がこれまでどのような開発をしてきたのかを整理し、使った技術やプロジェクトの中で解決した問題について、自分の言葉で説明できるようにしておくといいと思います。可能であれば、技術ブログやポートフォリオなどを通して、自分の経験を残しておくことも役に立ちます。
そして何より、『会社を辞めれば自由になれる』とだけ考えないことですね。会社という組織から離れる分、自分自身で責任を持つ部分も増えます。
私自身、最初から不安がなかったわけではありません。ただ、退職する前に市場を確認し、自分のスキルを見直し、生活費を準備し、次の仕事を探すということを少しずつ進めていました。
今振り返ってみると、私が会社を辞めても不安にならなかった理由は、特別な勇気があったからではありません。会社を辞めた後も仕事を続けられるという根拠を、一つずつ準備していたからだと思います。」




