山本さんとのインタビュー

20代Vueフリーランスエンジニアに聞く:会社に属さない働き方と、そのリアル
今回は、20代でフリーランスに転身し、Vue / Nuxt を中心にフロントエンドエンジニアとして活躍している山本さん(仮名) にお話を伺いました。
新卒でWeb系自社サービス企業に入社し、Vue.jsを使ったフロントエンド開発を経験。
その後、会社を辞め、現在はフリーランスのフロントエンドエンジニアとして複数の企業と業務委託契約を結び、フルリモート中心で働いています。
- なぜ会社員からフリーランスに切り替えたのか
- 実際の案件内容・使用技術・働き方・収入のリアル
- Vueフリーランスだからこそのメリットとハードル
- これからフリーランスを目指すVueエンジニアへのヒント
について、率直に語っていただきました。
1. なぜ会社員を辞めてフリーランスになったのか
── まず、なぜフリーランスになろうと思ったのかを教えてください。
山本さん:
「一番の理由は、**“自分でキャリアのハンドルを握りたかった”**からです。
新卒で入った会社では、Vue 2 → Vue 3 への移行プロジェクトや、
コンポーネント設計・API連携などを任せてもらっていて、
技術的にも人間関係的にも恵まれていました。
ただ、次第に
- どのプロダクトに関わるか
- どんな技術スタックを選ぶか
- どれくらいのスピード感で仕事をするか
といった部分を、もっと自分で選びたくなってきたんです。
配属や評価、アサインされるタスクまで、
どこか “会社の都合優先で決まっていく感覚” があって、
「自分の興味や得意分野に、もう少し素直になってもいいんじゃないか?」
と思うようになり、フリーランスという選択肢を真剣に考え始めました。」
── 独立の決め手になった出来事はありますか?
山本さん:
「社内での異動の話が出たタイミングですね。
自分としては、Vue / フロントエンドを軸に伸ばしていきたい気持ちがあった一方で、
会社の事情としては別のポジションを求められている状況でした。
そこで、
- 会社の流れに合わせてキャリアを変えていくか
- 自分の興味や強みを軸に外に出るか
を考えたときに、“一度外に出てみよう” と決めました。」
2. Vueフリーランスとしての案件内容・働き方・収入
── 現在はどのような案件に携わっていますか?
山本さん:
「今は主に、こんな案件に入っています。
- Vue 3+TypeScript を使ったtoC向けWebサービスの新機能開発
- Nuxt 3 を使ったオウンドメディアや管理画面のリニューアル
- 既存のVue 2プロジェクトのリファクタリング・コンポーネント整理
単純な画面実装だけではなく、
- コンポーネント設計
- 状態管理(Piniaなど)の設計
- API仕様のすり合わせ
- デザイナーとのUI調整
まで関わることが多いです。」
── 働き方や稼働時間はどのようなイメージですか?
山本さん:
「今のスタイルは、
- 週4:クライアントワーク(Vue / Nuxt案件)
- 週1:勉強・自分の小さなプロジェクト開発・アウトプット
- 基本フルリモート、ミーティングはお昼〜夕方に集中
という形です。
フロントエンドは、
- デザイナー
- バックエンドエンジニア
- PM / ディレクター
とのやりとりが多いので、
完全に“好きな時間だけ働く”というよりは、
“コミュニケーションの時間はチームに合わせる” 感覚で動いています。」
── 収入面についても、可能な範囲で教えてください。
山本さん:
「ざっくりですが、正社員時代と比べると 1.5〜2倍くらい になりました。
フルタイムで稼働すれば、もっと上げることもできると思いますが、
私はあえて
- 収入:会社員時代より少し高めで、貯金もできるライン
- 時間:勉強や自分の開発に使う余白も残す
というバランスを選んでいます。
“年収だけを最大化したい”というより、
**“Vueエンジニアとして長く続けられるペース”**で働きたいイメージです。」
3. Vueフリーランスだからこそのメリットとハードル
── Vueをメインにしたフリーランスという立場ならではのことはありますか?
山本さん:
「Vueメインでやっていて感じるのは、
- 日本語圏での採用事例が多い
- 新規開発だけでなく、既存サービスの保守・リニューアル案件も多い
- Nuxtを含めて、“フロントまわりをまとめてお願いしたい” という相談が来やすい
という意味で、案件の選択肢を取りやすい技術スタックだなということです。」
── 具体的には、どんなところにやりがいを感じますか?
山本さん:
「やりがいを感じるのは、
- デザイナーのFigmaデータを、Vueコンポーネントとしてきれいに落とし込めたとき
- 画面表示速度やLighthouseスコアが、チューニング前後で数字としてハッキリ改善したとき
- 管理画面やフロント画面について「使いやすくなった」と言ってもらえたとき
ですね。
Vueはコンポーネント指向が分かりやすくて、
設計の工夫がそのままプロダクトの扱いやすさに反映される感覚があるので、
フリーランスでも続けたいと思える理由になっています。」
── 逆に、Vueフリーランスとして難しいと感じる部分は?
山本さん:
「ハードルもそれなりにあります。
- プロジェクトごとに、Vueのバージョン・構成・命名ルールなどがバラバラ
- “とりあえずVueで作った”ままカオスになっているSPAを引き継ぐこともある
- 設計やガイドラインが残っておらず、仕様がコードにしかないケースも多い
こういう現場に入ると、ただコンポーネントを書くというより、
既存コードの読み解きと、地道な整理作業がかなり発生します。」
── そのあたり、どう割り切っていますか?
山本さん:
「“全部を理想のアーキテクチャに寄せようとしない”ことですね。
- ユーザー体験に直結する部分
- 今後も頻繁に機能追加されそうな部分
- バグや障害につながりやすい危ない部分
に優先順位をつけて手を入れていきます。
Vueフリーランスとしては、
“自分の好みを通す人”ではなく、
“限られた時間と予算の中で、一番マシな着地を探す人”
でいることを意識しています。」
4. フリーランスとしての不安と、そのコントロール方法
── 正社員を辞めてフリーランスになるにあたって、不安はありましたか?
山本さん:
「かなりありました。
- “案件が途切れたらどうしよう”
- “Vue以外の技術が必要になったときについていけるか”
- “将来また会社員に戻りたくなったらどうするか”
このあたりは、独立前に何度もシミュレーションしました。
なので、勢いだけで辞めないことは意識していました。」
── 独立前にどのような準備をしましたか?
山本さん:
「例えば、
- 半年分くらいの生活費+少し余裕を貯めておく
- 会社員のうちに、副業でVue案件を1つ以上経験しておく
- フリーランス向けエージェントに登録し、Vue / Nuxt案件の単価や相場感をチェックする
- ポートフォリオサイトを作り、
“どの案件で・何を・どう改善したか” をテキストで説明できる状態にしておく
このあたりは事前に準備しました。
フリーランスになってからも不安がゼロになることはないですが、
スキル・実績・つながりを少しずつ積み上げていくほど、
“選べる選択肢が増えていく実感” はあります。」
── 実際フリーランスとして働いてみて、不安との付き合い方は変わりましたか?
山本さん:
「“不安をなくす”というより、
“不安を前提に設計する” 感覚に変わりました。
- 収入源を1社に依存しすぎない
- 技術スタックを1つに固定しすぎない(とはいえ軸はVue)
- 常に次に声をかけられそうな状態(アウトプットや実績公開)を維持する
こういったことを意識しておくと、
何かあったときでも “動ける余白” が残るので、
精神的にはだいぶ楽になります。」
5. これからVueフロントエンドフリーランスを目指す人へのアドバイス
── これからフリーランスを目指すVueエンジニアに向けて、アドバイスをお願いします。
山本さん:
「Vueは日本でも採用事例が多くて、
フロントエンドの中でもフリーランスと相性のいい技術スタックだと思っています。
これから目指す人に伝えたいのは、まずこの3つです。
① “何ができる人か”を一言で言えるようにする
- Vue 3+TypeScriptでtoCサービスのUIを作れる
- Nuxt 3でSSR/SSGのサイトを構築できる
- 既存のVue 2プロジェクトを整理・リファクタリングできる
など、**“あなたに頼む理由”**が一言で説明できると、案件獲得がかなり変わります。
② ポートフォリオは「見た目」だけでなく「ストーリー」もセットで
単に「作りました」ではなく、
- どんな課題があったのか
- なぜそのUI/UXにしたのか
- どんな技術選定をしたのか
- どこを工夫して、どう改善されたのか
まで書けると、**“フロントエンドエンジニアとしての思考プロセス”**が伝わります。
③ いきなり退職しなくてもいい
いきなり会社を辞める必要はなくて、
- 副業で小さなVue案件を1つやってみる
- 技術ブログやXでアウトプットを始めてみる
- フリーランスで働いている人に話を聞いてみる
といった形で、リスクの低い一歩から始めるのがおすすめです。」
6. これからのキャリアと、読者へのメッセージ
── 今後のキャリアについては、どのように考えていますか?
山本さん:
「しばらくは、Vue / Nuxtを軸にしつつ、
- デザインシステム
- コンポーネントライブラリ
- フロントエンドのアーキテクチャ設計
といった“もう少し上のレイヤー”の仕事を増やしていきたいです。
将来的には、
“小さなチームのフロントエンドリード” 的なポジションや、
自分のサービス・プロダクトにもチャレンジしてみたいと思っています。」
── 最後に、この記事を読んでいるエンジニアへ一言お願いします。
山本さん:
「フリーランスは、特別な人だけの働き方ではなくて、
“自分の優先順位に合わせて選べる選択肢のひとつ” だと思っています。
- 場所や時間に縛られずに働きたい
- 好きな技術スタックに集中したい
- 自分のペースで成長したい
こういった気持ちが少しでもあるなら、
いきなり会社を辞めなくてもいいので、
- 情報収集
- スキルの棚卸し
- 小さなアウトプット
あたりから、**“外に開かれたエンジニア”**になる一歩を踏み出してみてほしいなと思います。」
まとめ
Vue / Nuxt を軸にフリーランスとして働くことは、
- 技術スタックや案件を自分で選べる自由
- 場所や働き方を柔軟に設計できるメリット
がある一方で、
- 案件の継続性や収入の不安定さ
- 既存コードの整理や、限られた条件の中での意思決定
といったリアルな課題も伴います。
それでも、
“自分でキャリアのハンドルを握りたい”
という人にとって、Vueフリーランスという道は十分現実的な選択肢になりつつあります。
今の働き方にどこかモヤモヤを感じているなら、
いきなり独立を決めなくてもいいので、
まずは小さな一歩から、自分の可能性を広げる動きを始めてみてはいかがでしょうか。




