ITフリーランスの請求書の書き方
無料ジェネレーター付き・インボイス対応
SES・準委任契約のフリーランスエンジニアが毎月出す請求書は、インボイス制度の記載事項に加えて「精算幅の超過・控除」という業界特有の書き方があります。このページでは記載例つきで書き方を解説し、そのまま使える無料ジェネレーターで登録なし・A4のPDFを作成できます。
入力内容はサーバーに送らず、このブラウザにだけ保存されます(他の端末・ブラウザには引き継がれません)。
宛先と請求情報
決まりはないので「請求年月-連番」(例: 202609-001)が無難。取引先から指定があればそれに従う。
発行者(あなた)
次回以降も自動で入ります税務署に適格請求書発行事業者の登録をすると通知される番号。取引先が仕入税額控除を受けるために必要で、未登録だと取引先の負担が増えるため報酬交渉に影響することがある。番号は国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」で確認できる。未登録なら「免税事業者」を選ぶ。
明細(内訳)
入力した単価に消費税を上乗せして請求します。SES・準委任の契約書は税別表記が一般的なので、通常はこちら。
消費税の1円未満の扱い。法律上はどれでもよく、切り捨てが最も一般的。取引先の指定があれば合わせる。税率ごとに1回だけ処理する(インボイスの要件)。税込入力のときは差額計算になるためこの設定は使いません。
取引先が報酬から所得税を天引きして国に納める制度。開発・インフラなどのエンジニア業務は対象外。原稿料・デザイン料・講演料などを請求するときだけ「あり」にする(税抜100万円まで10.21%、超過分20.42%)。
振込先・備考
次回以降も自動で入ります未入力:宛先・発行者名・登録番号・案件名・振込先
御請求書
| 請求書番号 | 202609-001 |
|---|---|
| 御請求日 | 2026年8月31日 |
| 登録番号 |
下記の通り、御請求いたします。ご査収の程、宜しくお願い申し上げます。
| 内訳 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日付 | 案件名 | 単価 | 超過 | 控除 | 金額 | |||
| 人月 | 単価 | 工数(h) | 単価 | 工数(h) | 単価 | |||
| 8月分 | 1.00 | ¥0 | 0.00 | ¥0 | 0.00 | ¥0 | ¥0 | |
| 小計 | ¥0 | |||||||
| 消費税(10%) | ¥0 | |||||||
| 消費税(8%) | - | |||||||
| 合計 | ¥0 | |||||||
| 振込先 | 銀行名 | |
|---|---|---|
| 支店名 | ||
| 普通/当座 | 普通預金 | |
| 口座番号 | ||
| 名義 |
ITフリーランスの請求書 3行まとめ
- インボイス(適格請求書)にするには登録番号・税率ごとの対価と消費税額の記載が必須。免税事業者ならその旨を明記する。
- SES・準委任は「月額 × 人月」に精算幅の超過(加算)・控除(減額)を同じ行で載せる。時間単価は契約書の精算方式(中間割 / 上下割)で決まる。
- 単価は税抜で記載し、消費税は税率ごとに1回だけ端数処理。エンジニア業務は源泉徴収の対象外。
上のジェネレーターはこの3点を自動で満たします。以下で理由と書き方を解説します。
ジェネレーターの使い方(3ステップ)
宛先・発行者・登録番号を入力
発行者情報と振込先はブラウザに保存されるので、2回目以降は宛先と明細を変えるだけです。
明細に月額と超過・控除を入力
「精算幅から超過・控除を計算」で月額・精算幅・実稼働時間を入れると、時間単価と工数が自動で入ります。
PDFで保存して送付
右のプレビューがそのままA4で出力されます。印刷画面で「PDFに保存」を選んでください。
インボイス(適格請求書)に必要な6つの記載事項
2023年10月に始まったインボイス制度では、取引先が仕入税額控除を受けるために次の6項目が請求書に必要です。このツールでは入力するだけで自動的に配置されます。
| 記載事項 | このツールでの位置 |
|---|---|
| ① 発行事業者の氏名・名称と登録番号 | 発行者欄と登録番号欄 |
| ② 取引年月日 | 御請求日と「日付」列(〇月分) |
| ③ 取引内容(軽減税率対象はその旨) | 案件名の列。8%対象には※を表示 |
| ④ 税率ごとに区分した対価の額と適用税率 | 小計と消費税(10%)/(8%)の行 |
| ⑤ 税率ごとの消費税額 | 消費税(10%)/(8%)の行(端数処理は税率ごとに1回) |
| ⑥ 交付を受ける事業者の氏名・名称 | 宛先(〇〇 御中) |
準委任契約の請求書で超過・控除はどう書く?
基本+超過-控除を1行にまとめる
SES・準委任の請求書は「月額単価 × 人月」を基本額とし、精算幅の上限を超えた時間を超過(加算)、下限に満たない時間を控除(減額)として同じ明細行に載せるのが一般的です。金額は「基本 + 超過 - 控除」で、いずれも円未満は切り捨てます。たとえば月額80万円・精算幅140〜180h・実稼働185hなら、中間割の時間単価は 800,000 ÷ 160 = 5,000円、超過5h × 5,000円 = 25,000円が加算され、税別825,000円になります。
時間単価は契約書の精算方式で決まる
中間割は超過・控除とも「月額 ÷ 精算幅の中央値」、上下割は超過が「月額 ÷ 上限」、控除が「月額 ÷ 下限」です。同じ稼働でも上下割は超過が安く・控除が高くなるため、請求前に契約書の精算条項を確認してください。時間の端数(15分・30分単位の切り捨てなど)も契約に従います。
中間割と上下割の差額を比較する →SES・準委任の請求書 記載例(月額80万円・精算幅140〜180h)
実稼働185hで上限を5h超過したケース。中間割なので時間単価は 800,000 ÷ 160h = 5,000円です。項目ごとに「どこに何を書くか」を整理しました。
| 項目 | 記載例 | ポイント |
|---|---|---|
| 宛先 | 株式会社〇〇 御中 | 契約書の相手方。エージェント経由なら支払元のエージェント名 |
| 請求書番号 | 202609-001 | 「請求年月-連番」が無難。取引先指定があれば従う |
| 御請求日 | 2026年8月31日 | 締め日(通常は月末)に合わせる |
| 登録番号 | T1234567890123 | 課税事業者はT+13桁。免税事業者は「適格請求書発行事業者ではありません」 |
| 日付・案件名 | 8月分 / Webアプリケーション開発支援(準委任) | 対象月と業務内容。契約書の件名と揃える |
| 単価 | 1.00人月 × ¥800,000 | 税抜。月途中参画は人月を 0.5 などで日割り |
| 超過 | 5.00h × ¥5,000 | 上限180hを超えた5h。単価は 月額 ÷ 中央値160h |
| 控除 | 0.00h × ¥5,000 | 下限140hを下回った時間。今回はなし |
| 金額 | ¥825,000 | 800,000 + 25,000 − 0。1円未満切り捨て |
| 小計 / 消費税 / 合計 | ¥825,000 / ¥82,500 / ¥907,500 | 消費税は小計に対して税率ごとに1回だけ端数処理 |
| お支払期日 | 2026年9月30日 | 契約の支払サイト(月末締め翌月末払いなど)に従う |
| 振込先 | 〇〇銀行 渋谷支店 普通 1234567 ヤマダ タロウ | 名義はカナ。振込手数料の負担先は備考に |
この例はジェネレーターの「サンプルを入力」で再現できます。
締め日・支払サイト・送り方のルール
締め日と請求日
SESは「月末締め」がほとんどで、請求日は締め日の月末にします。稼働報告書(勤務表)の承認後に発行するのが一般的で、翌月の第1〜5営業日までに提出という契約が多いです。
支払サイト
契約書の「支払条件」に書かれた期日を記載します。エージェント経由は「月末締め翌月末払い(30日サイト)」が主流で、翌々月末(60日)だと資金繰りが厳しくなるため、契約前に確認しておくポイントです。
送り方と保管
PDFをメール添付するのが標準で、件名は「【請求書】2026年8月分_山田太郎」のように月と氏名を入れます。電子帳簿保存法により、送った請求書(PDF)は7年間保存が必要です。押印は不要です。
差し戻されやすい請求書のミス6つ
- 登録番号の記載漏れ課税事業者なのに登録番号がないと取引先が仕入税額控除を受けられず、ほぼ確実に差し戻されます。
- 超過・控除の時間単価が契約と違う中間割と上下割で単価が変わります。契約書の精算条項を確認し、稼働報告書の時間と一致させてください。
- 税込単価をそのまま税抜欄に書く契約が税込88万円なら、請求書は税抜80万円+消費税8万円にします。二重課税に見えて差し戻されます。
- 消費税を明細行ごとに端数処理しているインボイスでは税率ごとに1回。行ごとに丸めると合計が1円ずれ、経理側で修正依頼が来ます。
- 請求日・支払期日が契約の締め・サイトと違う締め日より前の日付や、サイトより短い期日は経理処理できません。
- 振込手数料の負担先が書いていない一般的には振込側(取引先)負担ですが、契約に明記がなければ備考に「振込手数料は貴社にてご負担ください」と入れておくとトラブルを防げます。
請求書作成ツールのよくある質問
このツールで作った請求書はインボイス(適格請求書)として使えますか?
登録番号(T+13桁)を入力すれば、適格請求書に必要な「発行事業者の氏名と登録番号」「取引年月日」「取引内容」「税率ごとに区分した対価の額と適用税率」「税率ごとの消費税額」「交付を受ける者の氏名」がすべて記載されます。消費税の端数処理も税率ごとに1回で計算しています。免税事業者の方は「免税事業者」を選ぶと登録番号欄なしの請求書になります。
精算幅の超過・控除はどう書けばいいですか?
準委任契約(SES)では「月額単価 × 人月」に加えて、精算幅の上限を超えた時間を「超過」、下限に満たない時間を「控除」として同じ行に載せるのが一般的です。このツールの「精算幅から計算」に月額・精算幅・実稼働時間を入れると、中間割・上下割それぞれの時間単価と超過・控除の工数が自動で入ります。
消費税の端数はどう処理していますか?
デフォルトは切り捨てです。インボイス制度では「1つの請求書につき税率ごとに1回」の端数処理が求められるため、明細行ごとではなく小計に対して計算しています。取引先の指定があれば四捨五入・切り上げにも切り替えられます。
単価が税込で決まっている場合はどうすればいいですか?
「単価の入力方法」で「税込で入力」を選んでください。請求書には税抜に換算した単価・超過単価・控除単価と金額を記載し(税込 × 100/110、1円未満切り捨て)、消費税は「税込合計 − 税抜小計」で計算するため、合計は入力した税込額と一致します。インボイスの記載事項は税抜・税込どちらでも構いませんが、SESの請求書は税抜単価で書くのが一般的です。
源泉徴収は必要ですか?
システム開発やインフラ構築などのエンジニア業務は、原則として所得税法204条の源泉徴収対象ではありません。原稿料・デザイン料・講演料など対象となる報酬を請求する場合は「源泉徴収あり」にすると、100万円以下10.21%、超過分20.42%で税額と差引請求額を表示します。
入力した内容はどこかに送信されますか?
いいえ。計算も表示もすべてブラウザ内で完結し、サーバーには何も送信しません。入力内容はお使いのブラウザ(localStorage)にだけ保存され、次回開いたときに復元されます。他の端末やブラウザには引き継がれず、ブラウザのデータ削除やシークレットモードでは残りません。また Safari は7日間サイトを開かないと保存データを自動削除する仕様(ITP)のため、毎月使う場合は Chrome / Edge がおすすめです。共用PCでは「入力をクリア」で消してください。
PDFにするにはどうすればいいですか?
「PDFで保存・印刷」を押すとブラウザの印刷画面が開きます。送信先で「PDFに保存」を選ぶとA4のPDFになります。請求書の部分だけが出力され、サイトのヘッダーやフォームは印刷されません。
請求書番号や支払期日の決まりはありますか?
法律上の決まりはありませんが、番号は「発行年月-連番」のように一意で追跡しやすい形式が無難です。支払期日は契約書の支払条件(月末締め翌月末払いなど)に合わせてください。「翌月末」「翌々月末」ボタンで請求日を基準に自動計算できます。
押印は必要ですか?
請求書に押印の義務はなく、インボイスの要件にも含まれていません。取引先の社内ルールで求められる場合は、PDFにしたあとに電子印を重ねるか、印刷して押印してください。
まとめ|請求書は「登録番号・税率区分・超過控除」の3点を押さえれば通る
フリーランスエンジニアの請求書で経理に止められるのは、インボイスの記載漏れと精算幅の計算違いがほとんどです。上のジェネレーターは登録番号の形式チェック、税率ごとの端数処理、中間割・上下割の時間単価計算を自動で行うので、月額・精算幅・稼働時間を入れるだけで差し戻されない請求書になります。発行者情報と振込先はブラウザに残るので、翌月からは宛先と稼働時間を変えるだけです。
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