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業務委託の報酬減額、どこからがアウト?客先の言い分と反論を3つの場面で比べてみた

業務委託の報酬減額、どこからがアウト?客先の言い分と反論を3つの場面で比べてみた

フリーランス2026.09.28更新: 2026.09.28約5分で読めます
佐藤 ケイ
この記事のライター・フリーランス佐藤 ケイ
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“業務委託で報酬を減らされたとき、振込手数料の差し引き・修正費用・単価の引き下げはどこまで許されるのか。フリーランス法の減額禁止や契約書の確認ポイントを、客先とエンジニアそれぞれの言い分で比べて整理しました。”

👋 はじめに

「今月から単価を少し下げたい」「修正分は請求から引いてほしい」。業務委託では、こうした一言で報酬が削られることがあります。飲むしかないのか、断っていいのか迷いますよね。私もフリーランスになって最初の契約書を読んだとき、どこまでが客先の裁量なのか分からず手が止まりました。この記事では、よくある3つの減額場面を、客先とエンジニアの言い分で比べます。判断の軸は「合意の前か後か」と「誰の責任か」の2つです。


💸 1. 振込手数料の差し引き:「慣習だから」vs「合意していない」

まず前提として、業務委託の対価は厳密には「給与」ではなく「報酬」です。働き方の実態が労働者に当たる場合を除き、労働基準法の賃金ルールではなく、主にフリーランス法(2024年11月1日施行)と契約書で守られます。フリーランス法の減額禁止などは、受注者が従業員を使わないフリーランスで、発注者が従業員を使う事業者(または役員が2人以上いる法人)であり、1か月以上の業務委託(更新により1か月以上になる場合を含む)である場合に適用されます。

正直、会社員時代は振込手数料を気にしたことがありませんでした。フリーランスになってから、入金額と請求額の差を意識するようになった人は多いと思います。

客先が言いやすいのは「手数料は受取側が持つのが商慣習」という理屈です。一方、エンジニアが反論しやすいのは「契約書や発注書で、手数料を私が負担するとは合意していない」という点です。ただ、2026年1月1日時点のフリーランス法のQ&Aでは、上の適用条件を満たす取引なら、合意の有無にかかわらず振込手数料を報酬から差し引くことは報酬の減額として問題になるとされています。なお、下請法を改正した取適法(2026年1月1日施行)の対象取引でも、合意の有無にかかわらず振込手数料の差し引きは減額に当たる扱いになったので、公正取引委員会の最新資料も確認する必要があります。

私なら、揉めてから議論するより契約前に「振込手数料は発注者負担」の一行を入れてもらいます。少額でも毎月続くと、あとから言い出しにくくなるからです。

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🔁 2. 修正費用:「品質不足だから」vs「仕様が変わったから」

ここが一番もめやすい場面です。客先の言い分は「納品物に不具合があったのだから、修正の工数は請求できない」。エンジニアの言い分は「当初の仕様になかった変更だ」「途中で口頭で要件が変わった」です。

フリーランス法では、上の適用条件を満たす場合、受注者に責任がないのに、発注者が費用を負担せずに給付の内容を変更させたり受領後にやり直させたりして、受注者の利益を不当に害することが禁止されています。逆に、合意した仕様どおりに動かない不具合なら、受注者側で直すのが基本です。また、準委任(時間精算)か請負かでも話が変わるので、業務範囲の書き方を契約書で確認する必要があります。

PFMの開発をしていた頃から、仕様は途中で動くものだという感覚が私にはあります。だからこそ、反論できるかどうかは「その仕様がどこに文字で残っているか」で決まります。口頭で変更を頼まれたら、その場でSlackやチケットに「〜に変更、で合っていますか」と書き残すのが私の習慣です。


📉 3. 単価そのものの減額:「予算が減った」vs「もう働いた分だ」

「プロジェクトの予算が削られたので、今月分から単価を下げたい」。月の途中や月末にこう言われるケースがあります。ここはすでに働いた分か、これから働く分かで結論が大きく変わります。

場面

問題になりやすさ

見るポイント

稼働済みの月を遡って減額

高い

受注者に責任があるか

翌月以降の単価改定

合意すれば変更可

相場より著しく低くないか

精算幅の下限割れによる控除

発注時に明示された計算式どおりなら低い

控除単価の計算式

稼働済みの分は、発注時に決めた報酬を後から削る形になるので、受注者に責任がなければフリーランス法の「報酬の減額」に当たる可能性があります。一方、翌月以降の単価は交渉で決め直せます。ただ、相場を大きく下回る額を一方的に押しつけられた場合は「買いたたき」に当たる可能性もあります。

私なら、翌月以降の減額提案にはその場で即答せず、「単価を下げるなら稼働日数か担当範囲も減らしたい」と代案を返します。話がこじれたら、厚生労働省の委託事業である「フリーランス・トラブル110番」に相談する方法もあります。


✅ まとめ

報酬の減額が違法になるかどうかは、「合意の前か後か」と「誰の責任か」でかなり整理できます(ただし振込手数料の差し引きは、合意があっても減額として問題になるとされている点に注意です)。そして、どちらの場面でも頼りになるのは、文字で残した合意です。私ならまず、手元の契約書と発注メールを開いて、振込手数料の負担者と精算条件が書かれているかを確認します。書かれていなければ、次回の更新時に入れてもらうよう相談するのが最初の一歩です。

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