
フリーランスの実家暮らし、経費はどこまで?親に払うお金はどう考える?

実家の一室を作業部屋にして、毎月いくらか親にお金を渡す。フリーランスになって、そんな暮らし方を選ぶ人は少なくありません。確定申告の時期になると「これ、経費にしていいの?」と手が止まりますよね。
先に答えると、分かれ目は「生計を一にしているかどうか」です。同じ家で暮らしているなら、親に払う家賃は基本的に経費になりません。ただ、その代わりに経費にできるものもあります。順番に見ていきましょう。
🏠 まずは「生計を一にしている」かを確かめる
生計を一にするとは、ざっくり言えば「同じ財布で暮らしている」状態です。国税庁の通達では、同じ家に住む親族は生計を一にするものとして扱われます。例外は、明らかに独立した生活をしている場合です。
つまり実家暮らしは、何もしなければ「一つの生計」とみなされやすいんです。国税庁が細かいチェックリストを出しているわけではありませんが、独立していると説明するなら、たとえば次のような点が材料になります。
- 食費や日用品を、親とは別に自分で負担している
- 自分の生活費を、自分の口座で管理している
- 光熱費の契約や支払いが、親の世帯と分かれている
私なら、実家に住んでいる時点で「生計は一つ」を前提に考えます。独立を主張するなら、それを説明できる記録が必要になるからです。
💴 親に払うお金は、経費になる?ならない?
ここが一番迷うところだと思います。所得税法第56条では、生計を一にする親族に払った家賃などは必要経費に入れないとされています(本稿執筆時点の制度)。同居の親に家賃を払っても、その家賃は経費にできません。
その代わり、親が受け取った家賃も親の収入としては扱いません。そして、親が負担している家の費用のうち、仕事で使う部分は自分の経費にできます。たとえば固定資産税や建物の減価償却費などです。
生計を一にしている | 生計が別 | |
|---|---|---|
親に払う家賃 | 経費にならない | 仕事で使う部分を分けられれば経費にできる |
家の固定資産税など | 仕事で使う部分を自分の経費にできる | 親の家賃収入の経費になる |
親の申告 | 家賃は収入にならない | 家賃収入として申告が必要になる場合がある |
生計が別のほうが得に見えるかもしれません。ただ、親の申告にも影響します。どちらの形にするかは、家族で話してから決めたいところです。
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💡 光熱費やネット代は「按分」で考える
電気代やネット代は、生活と仕事の両方で使う費用です。仕事で使った部分を合理的に分けられれば、その分を経費にできます。この分け方を按分(あんぶん)と呼びます。
前提として、自分が実際に払っている費用であることが大切です。親名義の請求を親が払っているなら、自分の経費にはしにくいでしょう。回線を自分で契約するなど、支払いを自分側にまとめると整理しやすくなります。
分け方の基準は、費用の性質に合わせて選びます。
- 固定資産税など家の費用:家全体の床面積のうち作業部屋の割合
- 電気代:仕事で使う時間や機器の割合
- ネット代:仕事で使う時間の割合
たとえば、作業部屋が家全体の床面積の1割なら、その1割を基準にします。この数字はあくまで例です。自分の家の間取りや働き方に合わせて計算してみましょう。
🔍 税務調査で見られやすいのはどこ?
家事関連費(生活と仕事が混ざった費用)を経費にするには、仕事に必要な部分をはっきり区分できることが条件です。調査で見られやすいのも、この「区分の根拠」です。気をつけたい点を挙げてみます。
- 同居の親への家賃を、そのまま経費にしている
- 按分の割合に、面積や時間などの根拠がない
- 親に渡すお金が現金手渡しで、名目も記録もない
- 生計は別だと言いながら、家計の分け方を説明できない
家計簿や資産管理のプロダクトを作ってきた立場から見ても、お金は「どの口座から何の名目で出たか」が残っていると説明しやすくなります。按分の計算メモは、申告書の控えと一緒に保管しておくと安心です。
まずは、親に毎月渡しているお金を「家賃」「食費」「光熱費」に分けて書き出してみましょう。名目がはっきりすると、経費にできる部分とできない部分が見えてきます。迷う点が残ったら、そのメモを持って税務署や税理士に相談すると話が早いです。





